愛知県の不正経理問題で、県豊田加茂農林水産事務所(豊田市)が消耗品の架空発注で捻出(ねんしゅつ)した公金で、米アップル社のデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」1台を購入していたことが分かった。
県は発表した物品リストには「アップルコンピュータ」とだけ記載。「(パソコンの記録媒体の)USBメモリーとして使い、音楽は聴いていない」と説明している。
同事務所などによると、iPodは2005年3月に、林務課が2万3075円で購入。帳簿上は架空の消耗品を購入したことにしていた。
同事務所では治山現場や工事現場などの写真を大量に撮影するため、デジタルカメラで撮った画像データをiPodに保存し、必要に応じてパソコンに移して処理しているという。「当時、容量が2ギガのUSBメモリーは4万円ほどした。iPodは4ギガで、容量が多くて安いと判断した」と釈明している。
名古屋市内の家電量販店は「iPodの方が安いということはなかったのでは」と話している。
また、家庭用ゲーム機の「プレイステーション2」の機能を併せ持ったDVD録画機を購入していた東三河農林水産事務所(豊橋市)は、これまで「DVDプレーヤーとして使った」と説明していたが、ゲームをするための別売りのコントローラー(3800円)も一緒に買っていたことが新たに判明。同事務所は「担当職員がセットで買うものと思い込んでいた。極めて不適切」と話している。
(中日新聞)