肉親捜しのため一時帰国している中国残留孤児の秦永珍さんが19日、北海道に住む女性(73)と厚生労働省で対面調査に臨んだ結果、山形県出身の高橋定子さん(73)と判明した。昨年に続く身元判明で、訪日調査中の判明は4年ぶり。
高橋さんは8歳で旧満州(中国東北部)に渡り、終戦後の避難途中に父母と弟、妹を銃撃で亡くした。厚労省が保管していた満州開拓団の資料に高橋さんとみられる人の記述が見つかり、いとこの女性に写真を見せたところ「似ている」と話したことから対面が実現した。
対面調査後、記者会見した高橋さんは「うれしくて温かい気持ちになった」と喜びを表した。幼い時の記憶はほとんどないため、小学校の同級生だったといういとことの対面も実感がわかずに少し戸惑った様子だったが「(生まれ故郷の山形に)行ってみたい。6人の子供と一緒に帰れるなら、日本に永住したい」と話した。
厚労省によると、高橋さんは日本の家の前に「高橋」と書かれた木の札があったことや家の周辺状況を記憶。家族構成なども資料と一致し、この日、いとこも「間違いがない」と確認した。
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