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2008年11月19日(水) 06時03分

舛添厚労相「卑劣。許し難い犯行」連続殺傷事件スポーツ報知

 18日に埼玉と東京で相次いで発生した元厚生事務次官を狙ったとみられる連続殺傷事件は厚労省に衝撃を与えた。厚労トップの舛添要一厚労相(59)は「卑劣で許しがたい犯行」と憤った。省内はかつてない緊迫ムードに包まれ、職員らは事実確認に追われた。次は誰が狙われるのか。職員の一人は「組織的テロだと思う」とつぶやいた。

 歴代の厚労行政の事務方トップを狙った事件。18日夜、東京都内の自宅前で報道陣に対応した舛添氏は表情をこわばらせた。「テロということなら、それは許しがたいこと。全くもって卑劣な行為だ」と憤った。

 東京都中野区の吉原さん宅での事件の一報が入ったのは午後8時半すぎ。立て続けの元事務次官宅の襲撃事件に思わず耳を疑った。年金を軸にした政治テロの見方も浮上。「年金テロ」の可能性を聞かれると「2つの事件が関連しているかどうかも原因も分からない。情報収集に全力を挙げるよう事務方に指示した。偶然かもしれないので」と具体的な言及を避けた。

 吉原さん宅の事件の前に舛添氏は山口さん夫妻殺害について「事件の真相は警察が捜査しているのでそれ以上はコメントできないが、本当に痛ましくて残念だと思う」と語っていた。

 厚労省内は重苦しい空気が支配した。職員はニュースを食い入るように見つめ、ある幹部は「組織的なテロだと思う」とうめいた。

 省内では職員たちが、慌ただしく走り回って事実確認を急いだ。40代の幹部は「誰か裏で糸を引いている人間がいるんじゃないのか。年金局絡みの何らかの警告ではないか」と青ざめた。別の幹部は「連続事件の可能性もあるのか」と絶句した。

 厚労省は、歴代事務次官や年金局幹部経験者に身辺に注意するよう連絡を開始。残業で残っていた職員にも「身辺に細心の注意を」「宅配便を装ったとの情報もあるので、宅配便への対応にはくれぐれも注意を」と記されたメモを配った。

 同省の元幹部は、殺害された山口さんと夫人を刺された吉原さんについて「国民の誰もが受け取れる基礎年金制度を導入した立役者」と評価。「偉大な功績であり、恨まれる筋合いはないはずだ。狙われる理由が分からない」と語った。

 年金不安が広がる中で起きた前代未聞の凶行。現職幹部は「異常なことが起きているが、背景など何がどうなっているか、全く分からない」と、混乱した様子で語っていた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081119-OHT1T00112.htm