2008年11月18日(火) 08時01分
島田最高裁長官退官「寂しさと安堵感交錯」(産経新聞)
最高裁の島田仁郎(にろう)長官(69)は17日、21日の定年退官を前に会見し、「わが家のように親しんできた裁判所を去る寂しさと、重い責任から解放される安堵(あんど)感とが交錯している」と述べ、三権の長としての約2年間と、44年あまりの裁判官生活を振り返った。
来年5月からの裁判員制度について「実施されれば刑事裁判はよりよいものに発展する。今は生まれてくる赤ちゃんが順調に育つのを願う親のような気持ち」と語り、「あと20年、30年後に生まれて裁判員裁判をやりたかった」と述べた。
平成18年10月の長官就任以来、在任中に3件の大法廷判決で裁判長を務めた。印象深いものに今年6月の「婚外子国籍訴訟」で、国籍法の規定を違憲と初判断した判決を挙げ「最高裁に与えられた違憲立法審査権の重みを身をもって実感した」と述べた。
異例の抜擢(ばってき)で最高裁判事を経ずに後任の長官に就任する竹崎博允(たけさき・ひろのぶ)氏について、「長年の慣行より、裁判所にとって最適任を選びたかった。志も力量も抜群だ」と期待を込めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000044-san-soci