2008年11月17日(月) 23時22分
総連本部差し押さえ請求を棄却、「名義人は別の法人格」と(読売新聞)
破綻した全国の在日朝鮮人系信用組合から不良債権を買い取り、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対して約627億円の債権を持つ整理回収機構が、朝鮮総連中央本部(東京都千代田区)の土地建物の名義人である合資会社を相手取り、中央本部の競売に向けた土地建物の差し押さえを認めるよう求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。
山崎勉裁判長は「被告は朝鮮総連とは別の法人格を持つので差し押さえは認められない」と述べ、請求を棄却した。
同機構は今回の訴訟の提訴後、中央本部の登記名義を朝鮮総連の代表者に書き換えるよう求める訴訟を同地裁に起こしている。
整理回収機構は旧朝銀東京信組などから買い取った債権のうち、約627億円分は実質的には朝鮮総連への融資だったとして返還を求める訴訟を提訴。昨年6月、東京地裁が朝鮮総連に全額支払いを命じる判決を言い渡し、確定した。
この判決に基づき、同機構は中央本部の不動産を差し押さえようとしたが、同本部の登記上の所有者は「朝鮮中央会館管理会」となっていたため、同管理会相手に強制執行を可能とする「執行文」の付与を求める訴訟を起こした。
訴訟で同機構は「法人格のない朝鮮総連は不動産登記ができないから別会社が便宜上の名義人になっているだけで、実質的な所有権は朝鮮総連にある」として強制執行ができると主張した。しかし山崎裁判長は、所有権が朝鮮総連にあるとしても、名義を同管理会としたままで強制執行を認めるのは「真実の権利関係や権利の変動を反映する不動産登記制度の趣旨に反する」と判断した。
中央本部を巡っては、緒方重威・元公安調査庁長官(74)らが「差し押さえから守るため」として、朝鮮総連から土地建物などをだまし取ったとされる詐欺事件の公判が続いている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081117-00000058-yom-soci