2008年11月17日(月) 19時51分
<格付け会社>登録制を導入 09年度施行へ(毎日新聞)
金融庁は格付け会社に登録制を導入する方針を固めた。格付け会社を検査、監督の対象に加え、審査体制などに不備が見つかれば、行政処分を発動できるようにする。年明けの通常国会に金融商品取引法改正案を提出、09年度中の施行を目指す。
格付け会社は、企業の財務状況や証券化商品の信頼性を第三者的に分析。高格付けの企業や商品は「元利返済できなくなるリスクが少ない」と評価される。しかし、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)を組み込んだ証券化商品にも欧米の格付け会社が高い格付けを与えたため、同ローンの焦げ付きが広がるとともに、安全なはずの高格付け商品の価格も急落。「格付け会社の甘い審査が世界に金融危機を拡散させた」との批判につながった。
格付け会社に対しては米国が既に、登録制を導入、欧州連合(EU)も規制対象に加える方針を決めている。日本は現在、客観性、透明性などを基準に金融庁が格付け会社を認定する「適格格付機関」制度を採用しているが、規制や監督はしていない。だが、14、15日にワシントンで開かれた第1回緊急首脳会議(金融サミット)首脳宣言で格付け会社の監督強化が打ち出されたことを受け、足並みをそろえることにした。登録制により、証券会社などと同様、格付け会社も金融庁による定期的な立ち入り検査を受けるようになる。
日本では現在、国内系の格付投資情報センター、日本格付研究所と、外資系のムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ、フィッチの5社が適格格付け会社として営業している。【永井大介】
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