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2008年11月16日(日) 22時36分

<麻生首相>「歴史的なものだったと後世言われる」 金融サミットを評価毎日新聞

 【ワシントン高塚保】麻生太郎首相は15日午後(日本時間16日朝)、第1回緊急首脳会議(金融サミット)閉幕を受けワシントンで記者会見した。首相は「新しい世界経済と金融に対応した国際的な経済システムの実現に向けて、引き続きリーダーシップを発揮したい」と述べ、金融危機克服へ向けて主導的役割を果たす意欲を強調した。

 首相は今回の金融サミットを「歴史的なものだったと後世言われる」と評価し、「日本への期待、果たさなければならない役割の大きさを感じた」と語った。また、「世界の成長センターはアジア」と位置付け、今月下旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や来月の東アジアサミットなどへ向けて「アジア地域の金融協力の強化と自立的な発展のため取り組みを進めたい」と述べた。

 首相は会議の場で中国に対し、新興・中小国支援のための国際通貨基金(IMF)への出資を呼びかけた。中国側が回答を保留した点について、首相は「(中国政府は)この種の話を持ち帰って協議の上、発言したり賛意を表す。言わなかったから駄目というわけでもないと思っており、期待している」と述べ、中国による融資の実施に期待を表明した。

 ◇麻生首相の会見要旨

 第1回緊急首脳会議(金融サミット)閉幕を受けてワシントン市内で記者会見した麻生太郎首相の発言要旨は次の通り。

 ◇意義と成果

 金融危機と世界経済の減速への対応、金融規制・監督の方向性と具体策で一致した。歴史的な会合だったと後世言われる。短期的、中長期的な具体的対応を盛り込んだ首脳宣言は高く評価されるべきだ。

 ◇日本の役割

 日本への期待、役割の大きさを感じた。IMFに最大1000億ドル(約10兆円)の融通を表明し、日本の経験と提言は首脳宣言に反映された。日本は会合の成果を具体的行動に移し、新しい世界経済と金融に対応した国際的な経済システム実現に向けて引き続きリーダーシップを発揮したい。基軸通貨国は赤字体質を改め、外需依存の国は内需拡大に努め、ドル基軸通貨体制を支えるべきだと提言した。

 ◇地域協力

 世界の成長センターはアジア。アジアの経済成長が必要。日本はASEANプラス3や東アジア首脳会議などへ向けて、アジア地域の金融協力の強化と自立的な発展のための取り組みを進めたい。

 ◇中国への期待

 外貨準備高の多い産油国や中国からの融資を歓迎する。中国は話を持ち帰って協議の上、発言なり賛意なりを示す。言わなかったからだめというわけでもないと思っており、期待している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000033-maiall-pol