11府県と6政令指定都市の土地開発公社が、公共事業用に取得したものの活用のめどが立たない塩漬け状態の土地を2004年度以降、帳簿上の価格(簿価)より安い時価で民間などに売却、累計で325億円の損失を出したことが15日、共同通信社の調べで分かった。
多くはバブル経済期を含む1990年代に、自治体の要請で先行取得した土地。地価回復が見込めない中、購入資金を借りた金融機関への利払いなど財政負担が重くなり、損失拡大を防ぐために最終処理された。公社の負債を含め自治体の財政健全度を評価する法律が08年度決算以降に本格適用されることから、時価売却は各地に拡大しそうだ。
調査対象は、公社がない東京、神奈川、熊本の3都県を除く道府県と全政令市が設置している公社。このうち、不用な土地が大幅に値下がりすれば時価評価するよう総務省が求めた04年度以降に、取得額と利子負担などを合わせた簿価より低い価格で土地売却して生じた損失について集計した。
損失額が最も大きいのは横浜市公社。横浜港に面した再開発地区「みなとみらい21」の土地を日産自動車に売るなどし、04年度以降の累計損失が156億円に達した。うち約21億円は市が損失補てんした。