【ワシントン14日共同】米航空宇宙局(NASA)のグリフィン局長は14日、2010年までに月に宇宙飛行士を再び送るという現行の宇宙計画を次期政権が変えるなら、局長にとどまるつもりはないとの意向を明らかにした。ロイター通信のインタビューに答えた。オバマ次期大統領に対して現行計画の継続を強く求めたものといえる。
NASAの宇宙計画は、老朽化したスペースシャトルの退役と国際宇宙ステーションの完成、新型宇宙船を開発して月に回帰、火星も目指すというのが骨子。ブッシュ大統領が04年に提唱し、議会も承認した。
グリフィン局長は「新大統領は新しい局長を選ぶだろう」としながらも「もし私が指名されたら、驚きだが光栄だ」と述べ、現行計画の継続などを留任の条件に挙げた。
オバマ次期大統領は、新型宇宙船が就航するまでに米国の有人飛行に空白期間ができる懸念から、シャトルの退役延期を示唆しているが、現行計画そのものには反対ではないとされる。
グリフィン局長は航空宇宙工学の専門家で、コロンビア空中分解事故後のシャトル再開飛行に向け、ブッシュ大統領が05年に任命した。