【北京、ナイロビ14日共同】中国の交通運輸省によると、アフリカ東部ケニア沖で、日本時間14日午前3時ごろ、日本人1人を含む24人が乗船した中国天津市「遠洋漁業」所属のマグロ漁船天裕8号が海賊とみられるグループに乗っ取られた。新華社電が伝えた。
遠洋漁業の社長は共同通信の取材に「船長は日本人だ」と語ったが、氏名など詳細は明らかにしなかった。
在北京の日本大使館は情報収集を急いでいるが「事件の性質上、日本人が乗船しているかどうかを含め明らかにできない」としている。
新華社電によると、このグループは漁船に対し北方の隣国ソマリア南部沖に向かうよう要求。グループのリーダーはソマリアのラジオ局に対し「(船員らの健康状態は)良好」とした上で、要求については「後で話す」と語ったという。
海賊情報を収集しているケニアの「東アフリカ船員援助計画」のコーディネーター、アンドルー・ムワングラ氏は共同通信の取材に、乗っ取り犯は「迫撃砲などで重武装した海賊」と語った。現場はケニア沖約55キロ付近。ケニア沖では今年に入り、海賊による船舶への攻撃が3回あったが、乗っ取られたのは初めてという。