【ワシントン13日共同】米シンクタンク科学国際安全保障研究所(ISIS)は13日、衛星写真を分析した結果として、イランが同国西部アラクで進めている4万キロワット級の実験用重水炉の建設について、原子炉を覆うドームがほぼ完成するなど「大幅に進展」していると指摘した。
分析では、昨年2月25日と先月7日に民間衛星から撮影された写真を比較。昨年は基礎部分すら確認できなかった冷却塔も先月には完成し、原子炉周辺の建物も骨組みだけの状態から整備が大幅に進んでいる様子がうかがえるとしている。
ISISは、国際原子力機関(IAEA)に近い高官が今年9月に語った話として、建設完了は当初見込みの2009年から11年にずれ込み、13年には原子炉が臨界に達するとしている。
順調に稼働すれば、1年間に核兵器2個分に相当するプルトニウム約9キロが燃料棒の中に生成できる。プルトニウム抽出には、さらに使用済み核燃料再処理施設が必要だが、イランは同施設を建設しないとしているという。