【ニース(フランス南部)13日共同】フランスのサルコジ大統領は13日、ロシアが今年8月にグルジアに侵攻した際、調停に向けたロシア訪問に反対したとしてブッシュ米大統領を批判、自らの和平努力の正しさを訴えた。フランス公共ラジオが伝えた。
昨年大統領に就任したサルコジ氏は、それまでの冷え切った対米関係を修復、ブッシュ氏との親密な関係を演出してきた。しかし米大統領選でブッシュ政権との決別を掲げたオバマ氏が勝利したことを受け、ブッシュ大統領と距離を取り始めたとの見方もできそうだ。
サルコジ大統領はエリゼ宮(大統領府)での演説で「(ロシア軍が侵攻した際に)人権を守ったのは(侵攻を)非難した米大統領か、それともロシア、グルジア両国首脳と対話を維持したフランスだろうか」と述べ、フランスの調停努力が成果を挙げたとの認識を強調。
さらに「モスクワへの出発前夜に『行くな』と言った米大統領の電話を思い出す」と述べ、ブッシュ大統領の外交姿勢に疑問符を突きつけた。
サルコジ大統領は14日、フランス南部ニースで欧州連合(EU)議長国を代表してロシアのメドベージェフ大統領と会談する。