【ワシントン13日共同】ブッシュ米大統領は、14日からワシントンで始まる金融危機対策のための緊急首脳会合(金融サミット)を前に13日、ニューヨークで演説し、金融危機への対応について「政府の介入は万能薬ではない」と指摘、過剰な市場規制を求める欧州連合(EU)を強く批判した。
13日には麻生太郎首相が現地入り。各国首脳の個人代表(シェルパ)らによる会合も開かれ、金融サミットの声明取りまとめ作業は大詰めを迎える。しかし欧米間の考え方の違いがあらためて浮き彫りとなったことで、作業は難航しそうだ。
大統領は「時代遅れになった金融規制」によって欧米の金融機関の過剰な投機を抑えられず、今回の危機を招いたと認めた。その上で、今回のサミットで「金融制度を21世紀の市場に適応させる原則を構築する」と明言。各国に対し、次回サミットまでに具体策を検討するよう提案する考えを表明した。
また、サミットで「各国首脳は現在の金融危機を克服し、再発防止に役立つ基礎を築くという目的で合意する」と説明。金融市場の(1)透明性(2)適切な規制(3)健全性(4)各国当局の連携−の改善について議論するとした。
具体的には、証券化商品の会計ルール改善、相場操縦や詐欺行為の監視強化、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の改革などを挙げた。