記事登録
2008年11月13日(木) 03時05分

生・損保の基準強化先送り、財務悪化で金融庁方針読売新聞

 金融庁は12日、生命保険会社や損害保険会社の財務健全性を確保するための基準強化を、当初予定の2009年度には実施せず、10年度以降に先送りする方針を固めた。

 世界的な金融危機の影響で保険会社の財務状態が悪化する中で、基準強化は、かえって経営の不安定化につながり、適切でないと判断した。

 金融庁が強化を予定していたのは、契約者に対する保険金の支払い能力を示すソルベンシーマージン(支払い余力)比率の算出基準だ。

 具体的な内容は、〈1〉株価や債券の価格下落の危険性をより厳しく見る〈2〉元本保証型の変額年金保険で、運用失敗の可能性を高めに見積もる──などで、日本に比べて厳しい欧米の基準に近づける狙いもあった。

 しかし、最近の円高・株安の影響で保険会社が保有する有価証券の損失が膨らんでおり、予定通り基準強化に踏み切れば、市場に混乱を招く恐れが出てきた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081113-00000002-yom-bus_all