兵庫県の井戸敏三知事(63)が、11日の近畿ブロック知事会議で「関東大震災が起きればチャンス」と発言したことについて、東京都の石原慎太郎知事(76)は12日、8都県市首脳会議が開かれた横浜市で「役人の浅知恵。よく言えば、ばか正直」と批判した。
石原氏は、首都圏で大地震が発生する確率が向こう30年で70%であるとし、「東京の地震を期待されるなら、30年先の話になるかもしれない。自分で現状から努力して、関西の活力を取り戻せばいい」と指摘。苦笑いを浮かべながら「まあ、役人の浅知恵だな。それに伴う言葉がないから。よく言えば、ばか正直。他人の不幸をチャンスとする表現は、日本人の感性になじまない」と述べた。
両知事には“因縁”がある。07年4月、石原氏が「阪神大震災のときは首長の判断が遅かったから、2000人余計な人が死んだ」と発言。井戸氏は「いい加減な議論は、してほしくない。誠に失礼な話だ」と真っ向から反論している。
井戸氏の発言をめぐっては、8都県市首脳会議に出席した首都圏の知事や市長からも「幼稚で稚拙」「軽率な発言」などの声が相次いだ。兵庫県庁にはこの日、電話とメールを合わせて計350件以上の意見が殺到し、大半が批判的な内容だったという。
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