正月の縁起物として鏡もちに飾られるくし柿作りが、全国有数の産地、尾道市御調町菅野地区でピークを迎えた。紅葉に染まる里に、だいだい色の「柿すだれ」が彩りを添えている。
農業植岡克己さん(82)方では、庭と畑のやぐらに約2500本のくし柿がずらり。くし柿は、実がくしの両端に2個、真ん中に6個並び、「外はにこにこ、仲むつまじく」を表す家庭円満の縁起物。12月中旬、菅野地区と周辺の生産農家約30戸が、JA尾道市を通じて7万5000本を出荷する。
【写真説明】くし柿の色や乾き具合を確かめる植岡さん(撮影・増田智彦)