画面が10型以下で店頭価格5万円〜6万円程度のノート型パソコン「ミニパソコン」が人気を集めている。
機能をネットやメールなどに絞ったのが特長で、先行した台湾や米国のメーカーに追随して、国内大手も相次いで参入し、メーカー間の競争も激化してきた。(佐々木鮎彦)
台湾や米に追随 ■東芝、NEC相次ぎミニパソコンは、機能を絞り、ハードディスクドライブ(HDD)の記憶容量などを抑え、価格を安くした。2台目として外出先で使用するケースを想定している。液晶画面も当初は7型が主流だったが、現在は8・9型が多くなり、使い勝手が増している。
ミニパソコン市場に火をつけたのは、台湾のアスーステックだ。今年1月に4万円台の機種を発売した。その後、台湾のエイサー、米ヒューレット・パッカード(HP)、日本の工人舎などが参入した。
日本の電機大手では、東芝とNECが10月下旬に相次いで参入。東芝は本体の重さ約1キロと他社に比べて軽く、NECは150キロ・グラムの負荷にも耐えられる機種を投入した。ただ、価格は台湾など海外メーカーよりもやや高めの6万円台だ。
調査会社BCNによると、ノートパソコンの販売台数全体に占めるミニパソコンの10月のシェア(占有率)は約25%に伸びた。
携帯電話よりもキーボード操作が容易で、画面も大きいため、携帯情報端末(PDA)などを使い慣れたビジネスマンに特に人気があるという。
■富士通、ソニー様子見ただ、富士通は10月から欧州と東南アジアで発売したが、国内発売は未定だ。ソニーも「具体的な商品化の計画はない」。ミニパソコンが自社の売れ筋商品となれば、より価格の高い主力のノート型やデスクトップ型が売れなくなる恐れがあるからだ。
BCNによると、ノート型とデスクトップ型を合わせた10月のパソコン販売台数は前年同月比29・2%増だったが、単価は22・7%減で、パソコンメーカーにとってはミニパソコンの普及は収益に貢献しているとは必ずしも言い切れない面がある。