2008年11月12日(水) 11時19分
シスコ、通信事業者向けのイーサネット集線ルータを発表(@IT)
シスコシステムズは11月11日、通信事業者向けのイーサネット集線ルータ新製品「Cisco Aggregation Services Router 9000 Series」(ASR 9000)を発表、併せてソフトバンクグループ通信3社による同製品の採用を明らかにした。日本での発表は米国よりも半日以上早く、実質的に世界初の発表となった。
ASR 9000は、通信事業者向けのコアルータ製品である「CRS-1」と同一のOSを採用した集線ルータ。通信事業者がテレビ放送をIPネットワークで送るようになる一方、インターネットベースの動画利用が消費者を中心としてさらに増大する時代における、通信事業者のインフラを担う要素の1つとして位置付けられている。
通信事業者は、固定電話の通話、携帯電話からの通話やデータ通信、インターネット接続、IP TV、ビデオ会議など、さまざまなトラフィックをシンプルなIPベースのネットワークに統合する、いわゆるNGNへの移行を進めている。この統合ネットワークでは、特性の異なる多様なトラフィックをどうさばくかが新たな課題となる。今後はIP TVの普及、インターネットベースのビデオ、ビデオ会議など、ビデオを中心としたトラフィックの急速な増大も見込まれる。シスコは、2012年までのトラフィック増加率が、コア、メトロ(アグリゲーション)、アクセスの3レイヤのうちメトロで最も大きくなると予測する。
ASR 9000では、まずトラフィック増大の問題に対し、6.4Tbitsの総スイッチング容量と1ラインカード・スロット当たり400Gbpsの速度で対応する。ラインカードはギガビットイーサネット×40、10ギガビットイーサネット×4、10ギガビットイーサネット×8の3種類を提供する。イーサネットに加え、光多重(CWDMおよびDWDM)を利用できる。
多様なトラフィックタイプの統合について、同社のバイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャ(サービスプロバイダ コアルーティング ビジネスユニット担当)のプラビーン・アッキラージュ(Praveen Akkiraju)氏は、無線通信の集約やTDM回線エミュレーションのためにタイミング機能を組み込み、同期イーサネット(Synchronous Ethernet)をサポートすることや、QoS/CoSのためのキューはシステム当たり300万以上を提供可能で、ビデオに関しては、ビデオオンデマンドのストリーミングやキャッシュ、インライン型のビデオ品質モニタリングなどの機能を備えることを説明した。
CRS-1と同一のIOS XRを搭載したことで、稼働したままOSをバージョンアップするなど同OSの機能が活用できるようになっている。
シャーシは10スロットのASR 9010シャーシと6スロットのASR 9006シャーシの2種類を用意。ASR 9006は、特に日本の事業者の省スペース・ニーズに応えるため開発されたものだという。
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