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2008年11月11日(火) 01時05分

前空幕長をきょう参考人招致 野党、責任追及へ中国新聞

 参院外交防衛委員会で十一日に行われる田母神俊雄前航空幕僚長の参考人招致で、民主党など野党は政府見解を否定する人物を航空自衛隊トップに任命した政府の責任を徹底追及する方針だ。持論の主張に意欲を示す田母神氏の「独演会」にならないよう間合いを取りながら、自公政権でのシビリアンコントロール(文民統制)の緩みを浮き彫りにしたい考えだ。

 参考人招致は新テロ対策特別措置法改正案審議の一環で、浜田靖一防衛相、河村建夫官房長官、中曽根弘文外相も出席。

 民主党は田母神氏の論文執筆の背景に加え、同じ懸賞論文に九十人余りの航空自衛官が応募していたことも問題視。田母神氏主導の組織ぐるみだった可能性が強いとみて追及する構えだ。

 ただ「独演会にさせてはならない」(民主党参院幹部)と田母神氏への質問は必要最小限にとどめ、追及の矛先を主に浜田氏ら閣僚に向ける。過去にも同趣旨の論文を自衛隊内の雑誌に寄稿していた田母神氏を空幕長に起用した理由が、任命責任を問う上での焦点。論文発表まで内容を把握していなかった監督責任、定年退職とした処分の是非も取り上げる。

 共産党は防衛大学校を含む自衛隊内の教育の在り方、社民党は前空幕長のような歴史認識が自衛隊内に広がっていないかについて、それぞれ政府の見解をただす。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811110118.html