【ワシントン10日共同】米政府系住宅金融大手の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)が十日発表した二〇〇八年七—九月期決算は、純損失が二百八十九億九千四百万ドル(約二兆九千億円)に達した。
住宅価格の下落や市場の混乱が収まらないためで、金融危機の引き金となった米住宅市場の正常化にはまだ時間がかかることを示した。
サブプライム住宅ローン問題の影響で経営が悪化した同社は九月、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)とともに米政府の管理下に置かれた。赤字拡大に歯止めがかからなければ、公的資金による支援規模が膨らむ可能性もある。
事業の先行きが不透明なため、七—九月期は将来の黒字化を見込んで計上していた繰り延べ税金資産約二百十四億ドルを取り崩した。損失規模は二十三億ドルの赤字だった四—六月期から膨らんだ。