全日空が、国土交通省から指示された「超音波検査」をしないままボーイング737—500型三機を運航していたことが十日、分かった。一定の飛行回数ごとにこの検査を受けなければ運航は認められず、国交省は全日空に原因究明を指導した。
全日空は同日、この三機を使う中部—福岡、那覇—福岡など計五便を欠航、乗客計約三百人が影響を受けた。
海外で整備不良から、同型機の機体に微小な傷ができる事例があったため、国交省は二〇〇六年七月、国内航空会社に耐空性改善通報(TCD)を出し、超音波検査でつなぎ目やドア周辺に細かい傷が見つかった機体について、その後も飛行千回(約半年)ごとに超音波検査し、傷が拡大していないことを確認するよう求めていた。
全日空では保有二十二機のうち七機が該当し、一回目の検査を受けていたが、三機が二回目の検査をしていないことが社内の指摘で判明。最大で飛行回数が二千三百九十五回、超過していた。
前回検査した担当者が、次回分をプログラムに登録し忘れたのが原因とみられる。全日空は「再発防止に努めたい」としている。