兵庫県の井戸敏三知事は11日、和歌山市で開かれた近畿ブロック知事会議で、東京一極集中を挙げ、関西経済にとって「関東大震災が起きればチャンスだ」と述べた。
井戸知事は同日夜、神戸市内で記者団に対し「言葉遣いが適切でなかったとしたら、反省しなければならない」と釈明した。
災害時における都市の補完機能の重要性を指摘したものだが、阪神大震災の被災地の知事の発言に反発は必至だ。
会議では近畿2府4県と周辺県の知事が、地方分権や近畿地方の経済について議論。井戸知事は「関東大震災が起きれば相当ダメージを受けるから、これはチャンスですね」と述べた。
その上で「チャンスを生かさなきゃいかん。そのための準備をしておかなきゃいかんということが物理的にはある」として、企業を関西に呼び戻すことが必要と訴えた。
さらに金融とマスコミの機能などが東京に集中している現状に触れ、「防災首都機能を関西が引き受けるような準備をしていかなければならない」と指摘した。
会議終了後の記者会見で大阪府の橋下徹知事は「不適切発言ばかりの僕から見ても、不適切だったかなと思う。真意を測ると、(都市の)バックアップ機能が必要だということだ」と擁護。滋賀県の嘉田由紀子知事は「大震災から立ち直り、今も財政的に苦労している井戸さんだからこそ、公の場でも許される発言ではないか」と話した。
阪神大震災は1995年に発生。井戸知事は2001年に兵庫県知事に就任した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081111-OHT1T00223.htm