2008年11月11日(火) 16時31分
【元Vシネ女優初公判ライブ】(13)検察優位の解剖医尋問 元女優はじっと動かず…(産経新聞)
《解剖医に対する検察官の尋問は、死亡した藤家英樹さんが遺体に残っていたような傷を「自分で付けることが可能か、否か」−に集中した。弁護側が主張する藤家さんの「自傷行為」が不可能であるという言葉を、検察は改めて引き出そうとしている》
■写真&法廷ライブ■ 元Vシネ女優の傷害致死事件〜初公判全記録
検察官「藤家さんが他人にナイフを持たせて刃先に当たりに行ったり、柄の先を床に固定させて自ら刺したということは考えられますか」
解剖医「(刃が刺されば)痛みがあったりして、体がねじれたりするので難しいでしょう」
検察官「意識がもうろうとした状態で(木村衣里被告)が藤家さんを刺して、遺体に残っていたような傷をつくることができますか」
解剖医「まず、しっかり持てないでしょう。また、抜く時には刃先の動きが変わってしまっています」
検察官「やはり(藤家さんの傷のように)、こんなきれいにはならないということですね」
解剖医「はい」
《検察官の尋問に答える形で、解剖医は藤家さんの自傷行為や、衣里被告が意識がもうろうとした状態で藤家さんを刺したとする弁護側の主張を否定していく。検察官はさらに質問する》
検察官「ふらついた状態では、今回のような傷はできるのですか」
解剖医「やはり手元が不用意に動くので、今回のような傷は難しいでしょう」
検察官「(致命傷となる傷口以外に)小さな損傷がありますが、そのようにしてできるのでしょうか」
解剖医「肺の横に小さな傷が同一直線上に並んでいます。肺は膨らんだりしますから、抜くときか刺すときにかすったと考えられます」
検察官「小さな損傷と被害者がじっとしていたことは、矛盾しないのですか」
解剖医「肺は呼吸によって動く。その関係で2カ所、切れてしまうことはあります」
《検察官がポリ袋に入っていた「凶器」の果物ナイフを取り出して、解剖医に示した。凶器を見ても衣里被告はほとんど動かず、じっと下をみたままだ》
検察官「刃体9・8センチ、幅2・1センチ。この果物ナイフは凶器と考えて矛盾はありませんか」
解剖医「直線上2・2センチの傷がありました。抜くときと刺すときに(傷は)広めになるので、問題はありません」
検察官「こちらのナイフは凶器と考えられますか」
《傍聴席からはよく見えないが、別の刃物の写真を解剖医に示しているようだ》
解剖医「刃先が4センチですね。傷口の奥行きは8センチですので、刃の長さが足りないと考えられます」
検察官「先端の欠けた洋包丁は本件と関係がありますか」
《検察官は、衣里被告の自室内にあった果物ナイフ以外の刃物が凶器ではないことを徹底的に立証する構えだ》
解剖医「(刃物の)先端が欠けていれば、傷口に不正形が生じます。本件の凶器としては合わない。普通の文化包丁の刃の長さからみてもっと長い傷ができるはず。ご遺体の傷とは合致しません」
検察官「見ていただいた中では、果物ナイフが凶器として合致するということですね」
解剖医「はい」
《ここで検察官は質問の内容を変える》
検察官「ところで、(凶器の)刃先はすぐに抜けたのでしょうか」
解剖医「傷口がきれいなので、すぐに抜けたと考えられますね」
検察官「先生がこれまでに解剖された中で、背中に刺し傷のある遺体はどれくらいありましたか」
解剖医「5例ぐらいです」
検察官「そのうち他殺ではないものは?」
解剖医「ありません」
《検察官の質問は藤家さんの死因に移った》
検察官「藤家さんの死因は、左背部刺切創による肺損傷に起因する失血性ショック死でいいですか」
解剖医「はい」
検察官「藤家さんが死に至る経緯を簡単に説明してください」
解剖医「肺の傷はそんなに大きくない。胸腔内に血液がたまっていた。血液の半分がなくなると、おそらく人間は死ぬ。(藤家さんは)その前に血圧が下がり、状態が悪くなったと考えられます」
検察官「(藤家さんの傷は)『大きな血管を傷つけている訳ではないので、普通の人では死亡しない可能性が高いが、絶対に死なないとは言えない』と先生はおっしゃりましたが、刺した場所が同じでも、少しずれれば心臓を刺してしまうこともあった。たまたま、大きな血管を刺していなかったということでよろしいでしょうか」
解剖医「はい」
《検察官は果物ナイフを凶器とする立証に尋問を戻す》
検察官「先ほど見ていただいた果物ナイフの刃の部分から、藤家さんのDNA型と一致するDNAが検出された。それはどういう意味を持ちますか」
解剖医「(刃物に)付着していた血液と、藤家さんのDNA型は同一。付着の血液は藤家さん由来の血液といえます」
検察官「DNA型の一致はどれくらいの確率ですか」
解剖医「100億以上のうちの1人です」
検察官「ナイフの柄の部分には、藤家さんと被告のDNAが混在していた。これはどういう意味ですか」
解剖医「この2人のものとほぼ断定できる。2人以外の血液が入ると合わない」
《続いて弁護側の反対尋問が始まった。まずは死因に対する詳細な質問からだ》
弁護人「出血性ショックと失血死はどういう違いがあるのですか」
解剖医「出血性ショック死を経過して最終的に失血死に至ります」
弁護人「もう少し詳しく」
解剖医「出血して心臓から血液が出て行くと、血圧が維持できなくなる。これがショックの状態」
弁護人「半分ぐらい体内の血液がなくなると人は死ぬ。これは失血死ですか」
解剖医「はい…。まあ、何%で亡くなるかというのは個人差がありますが…」
弁護人「藤家さんはどの程度、血液はなくなっていたのでしょうか」
《弁護側は必死の“反撃”を試みているようだ》
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