2008年11月11日(火) 14時34分
【元Vシネ女優初公判ライブ】(7)生々しい法廷 プロジェクターに「血」「果物ナイフ」…(産経新聞)
《法廷では続いて検察官による犯行現場の検証説明が行われた。法廷の両側の壁面に設置されたプロジェクターに、犯行現場となった衣里被告のマンション自室の見取り図や、マンション4階の平面見取り図などが映し出される》
■写真&法廷ライブ■ 元Vシネ女優の傷害致死事件〜初公判全記録
検察官「防犯ビデオが設置されているのは、オートロック式のエントランス、オートバイ置き場、駐車場ともう1カ所ありますが、それは後ほど申し上げます。血痕が着いていたのは、エレベーターの床面の白い輪っかで示した部分です」
《エレベーターの床を上から撮影した写真がプロジェクターに映し出された。事件前に藤家さんが吐血したとみられる血痕が白い輪っかで囲われているようだが、傍聴席からははっきりと見えない。現場の写真が事件をリアルに伝える。続いて、ワンルームマンションによくある、小さなシンク(流し台)の写真が映し出された》
検察官「シンクの真ん中に黒い鉄製の鍋が見えますが、その中に果物ナイフが入っています。ハンカチとともに入っています」
《検察官が「犯行に使った」とする果物ナイフは、刃先を下にして少し濡れた鍋の中に入っていた。そして、底には濡れたハンカチ。果物ナイフが徐々にズームアップされてプロジェクターに映し出されてゆく。被告席の衣里被告は、検察官が母親の供述調書を読み上げていたときにはずっと下を向いていたが、プロジェクターが映し出されると何度も瞬きをしながら食い入るように見つけめている。長いまつげが揺れているのが、傍聴席からも分かる》
検察官「明らかな血痕は見受けられなかったが、刃体に脂ぎったものが付着されていたと記載されています。さらに洗濯機置き場の状況です。洗濯機に男物のパジャマズボンと白いジャンパーがかかっています」
《パジャマズボンとジャンパーは事件当時、藤家さんが着用していたものと思われる》
《続いて、現場となった木村被告の室内写真が映し出される。真っ白な床と壁。家具は少なく、ソファベッドとサイドボードばかりが目立つ。よい部屋だが、寂しい印象の室内だ》
検察官「サイドボードの上には飲食の跡が残っています。ソファベッドの枕の横に血痕が撮影されています。ベランダ側の窓のクレセント錠は施錠されており、ベランダ側からの侵入はありません」
《検察官は、第三者による犯行の可能性を主張する弁護側を牽制(けんせい)した》
検察官「続いて被害者(藤家さん)の着衣の損傷の様子です。着用していたのは4枚の上着。黒いシャツ2枚、茶色いセーター、白いジャンパーです」
《事件当日に藤家さんが着用していた4枚の上着が、並んでプロジェクターに映し出される。凶器のナイフによる損傷カ所は、背面肩胛骨下左側の同じ位置にほぼ同じ大きさで残っていた》
検察官「続いて果物ナイフに繊維痕が付着しているか、いないかを鑑定した結果です。ジャンパーには表地、裏地、裏生地がありますが、ジャンパーの表生地3本、中綿2本、(聞き取れず)、茶色いセーター10本以上、黒い長袖シャツは構成繊維が類似しているため、正確に分類できないが、あわせて10本以上が付いていました」
《検察側は、「凶器は被告宅にあった果物ナイフとは断定できない」とする弁護側の主張を覆そうとしている》
検察官「果物ナイフからは、微弱の血液のようなものが検出されました。刃体全体をぬぐったもののDNA検査をした結果、ぴったり藤家さんのものと一致しました」
《続いて、木村被告らの事件前後の行動について記載された捜査報告書の内容の説明だ。男性から女性の検察官に交代した》
検察官「犯行前日の平成20年1月25日、藤家さんさんと被告は、20時44分ごろ(東急東横線)自由が丘駅に行き、○○(スーパー、法廷では実名)などに買い物に行きました。20時44分、(東急多摩川線)鵜の木駅の改札を出ています。その後、21時13分、(衣里被告のマンション)出入り口を通過し、建物内に入っています。翌1月26日午前0時13分、2人は建物の外に出ています」
《2人はその後、コンビニエンスストアや弁当屋に立ち寄り、弁当などを購入。午前0時43分に再び帰宅。午前4時45分、被害者1人が外に出た。コンビニ店内で1人で買い物をし、午前5時ごろ、1人で(木村被告の自宅がある)マンション4階に戻っている》
検察官「その後、午前6時40分ごろに被告が救急車を呼び、救急隊が6時46分に到着。7時40分に被害者の死亡が確認されている。以上、ビデオ解析結果報告書からまとめたものです」
=(8)に続く
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