2008年11月10日(月) 11時43分
<生活者調査>欲しいもの…「安定した暮らし」急増(毎日新聞)
博報堂生活総合研究所(東京都)が今年、首都圏と阪神圏で実施した生活者意識調査で、欲しいものに「安定した暮らし」を選ぶ人が44.2%と過去10年で最高に上った。組織内での年功序列を求める人も過去最高。不況や雇用への不安から、堅実志向が高まっている傾向がうかがえた。
調査は98年から1年おきに実施。対象は20〜69歳の男女で、98年は2000人、08年は3371人が回答した。調査員が家庭に用紙を配布・回収する方式で、毎回同じ約1400項目を質問した。
ほしいものを三つ選ぶ質問では、最多は過去6回とも「お金」で08年は54.3%、次いで「健康」47.5%。3位の「安定した暮らし」は98年34.2%だったのが08年は44.2%と10ポイント増えた。
働き方については「年功序列は守るべきだ」と考える人が98年の16.2%から08年は22.3%に増加。「能力主義は合理的な制度だと思う」は、50%から41.4%に減少した。年功序列に代表される、従来の日本型雇用を見直す機運が高まっているようだ。
一方、「自分の将来は明るいと思う」は98年66.3%だったのが、08年は59.4%。「日本が誇れるもの」として「高い教育水準」「安全な暮らし」を挙げた人は、10年でそれぞれ10ポイント以上減った。 また、輸入食品の安全性への不安を反映してか「ものを買うとき、どこの国のものかは気にしない」は98年は31.7%だったのが、08年14%と大幅に減少した。
同研究所の南部哲宏研究員は「これからの日本は大幅な経済成長は望めない『低成長社会』。そんな見通しから、まず安定した生活を願う人が増えているのではないか」と話している。【小林多美子】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081110-00000026-mai-soci