2008年11月10日(月) 22時37分
米AIG損失2兆4468億円 7〜9月期(産経新聞)
【ワシントン=渡辺浩生】米政府管理のもとで経営再建中の米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が10日発表した2008年7〜9月期決算は、最終損益が244億6800万ドル(約2兆4468億円)の赤字となり、前年同期の30億ドルの黒字から大幅赤字に転落した。今年9月以降の金融危機の深刻化により損失が拡大した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、政府はAIGに対して支援策を拡大する方針。金融安定化法を使って400億ドル(約4兆円)を資本注入するなど、支援総額は現在の1228億ドルから1500億ドルに拡大する見込み。実施されれば公的資金による資本注入の対象が、銀行から保険会社に広がる初のケースとなる。
7〜9月期は、不良資産の評価損計上やリストラ経費など金融市場の混乱を受けた関連損失が138億ドルに上り、収益を圧迫した。総合保険部門は8億9900万ドル、金融サービス部門は83億ドルの赤字をそれぞれ計上した。
今年に入って9カ月の累積赤字は376億3000万ドルに上ったとしている。
AIGは今年9月、資金繰りが急激に悪化し、連邦準備制度理事会(FRB)から緊急融資を受けて公的管理下に入った。しかし、その後も、企業破綻(はたん)や住宅ローン担保証券の焦げ付きリスクを保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引で追加損失が拡大している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、総額1500億ドルの新支援策のうち、400億ドルの資本注入のほか、600億ドルを融資、500億ドルが政府による不良資産買い取りにあてられるという。
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