【モスクワ9日共同】ロシア太平洋艦隊(司令部ウラジオストク)所属の原子力潜水艦内で8日、日本海を航行試験中に事故が発生し20人以上が死亡、少なくとも21人が負傷した。ロシア海軍が発表した。事故の詳細は不明だが、艦体に損傷はなく原子炉は正常に稼働しており、放射能漏れなどもないという。
同海軍は事故を起こした原潜の名称や事故の発生場所などを明らかにしていないが、ロシア通信は関係者の話として、ロシア極東の造船所で建造され日本海で航行試験を行っていたアクラ級原潜「ネルパ」だと伝えた。ネルパは10月末に試験航海を始めていた。
ロシア大統領府によると、メドベージェフ大統領は状況を逐次報告し事故原因を詳細に調査するようセルジュコフ国防相に命じた。
事故は原潜の船首部分で発生したとみられる。同海軍は消火装置が異常作動したとしている。火事が発生したのかどうかなどは不明。事故当時は計208人が乗艦していた。負傷者は別の艦艇に移された。死者の中には軍人のほか造船所の作業員が含まれているという。