東京都北区の遊戯銃製造会社「タナカ」が製造販売した回転式拳銃型のエアガンが、本物の拳銃と同等の殺傷能力を持つことが分かり、警視庁組織犯罪対策五課が銃刀法違反(拳銃所持)容疑で同社を家宅捜索していたことが九日分かった。
同課は約八百丁を押収したが、すでに約千丁が出荷されたとみられ、さらに流通経路を調べている。タナカも出荷をやめ、在庫を回収している。
同課によると、問題のエアガンはタナカが七月に発売した「カシオペアタイプ」。通常のエアガンは銃本体にガスを注入しプラスチック弾を発射する仕組みだが、カシオペアタイプは薬きょう内にガスを封入して弾を発射する。
警視庁などが鑑定した結果、強度を上げた薬きょうの中にガスの代わりに火薬を詰めると、金属弾を発射でき、本物の銃と同じ程度の殺傷能力があることが分かった。
タナカが加盟する「日本遊戯銃協同組合」は、加盟メーカーのエアガンを発売前に検査し、検査済みシールを発行しているが、カシオペアタイプにはシールが張られていないという。