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2008年11月09日(日) 00時24分

家族了承で臓器提供容認54% 内閣府の世論調査中国新聞

 内閣府は八日付で臓器移植に関する世論調査結果を発表した。脳死した人が生前に臓器提供の意思表示をしていない場合の取り扱いについて、54・3%の人が「家族の判断に委ねるべきだ」と回答、家族の了承があれば提供を認めてもいいとの考えを示した。二〇〇六年の前回調査より6・2ポイント増で、五割を超えたのは初めて。

 「提供を認めるべきでない」は2・6ポイント減の33・1%で、「家族の判断にかかわらず提供を認めてよい」は前回の同趣旨の回答より2・1ポイント減の7・3%だった。

 現行の臓器移植法では、本人の書面による意思表示がない限り臓器提供はできない。自民、公明両党の有志議員は家族の了承があれば臓器提供を認める改正案を国会に提出しており、調査結果は今後の改正論議に影響を与えそうだ。

 現在認められていない十五歳未満の子どもからの臓器提供による移植を「できるようにすべきだ」は1・0ポイント増の69・0%だった。意思表示に関しては「家族を含む公正な第三者が判断すればいい」が44・2%と最も多く、「本人の意思を尊重すべき」26・2%、「第三者が判断することは適当ではない」18・9%が続いた。

 脳死判定された場合に臓器を提供するかとの質問では「提供したい」「どちらかといえば提供したい」が前回より1・9ポイント増の計43・5%で、過去最多だった。

 71・1%の人が臓器提供意思表示カード、シールの存在を「知っていた」と答えたものの、実際に所持している人は8・4%にとどまった。持っていない理由は「入手方法が分からなかった」「臓器移植に抵抗感がある」がともに23・9%で最多。所持者に臓器を移植する意思を記入しているか聞いたところ、49・7%が「何も記入していない」と答えた。

 調査は今年九月に全国の二十歳以上の男女三千人を対象に実施。回答率は59・0%だった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811080297.html