社団法人「県雇用支援協会」(静岡市葵区)が、厚生労働省所管の独立行政法人から支払われた業務委託費による雇用対策事業を巡り、不適正な支出があったと会計検査院から指摘された問題で、不適正支出の総額は2002〜07年度で計約650万円に上ることが7日、わかった。
会計検査院から指摘されたのは、今年4月に統合されて同協会になる前の「県障害者雇用促進協会」と「県雇用開発協会」が、独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京都港区)から支払われた業務委託費の使い道。障害者雇用促進協会ではカラ出張などで113万円、雇用開発協会は旅費の過払いが239万円、年度末での予算消化を目的に、事務用品などを架空発注して業者に資金をプールしてもらう「預け」が297万円、それぞれあった。
捻出(ねんしゅつ)された裏金のうち、障害者雇用促進協会は、本来は委託費から支出してはならない懇親会など職員同士の飲食費や残業時の夜食代に72万円を、冷蔵庫や食器棚、協会所有の乗用車のカーナビなどの購入に41万円をそれぞれ充てた。
旧2団体に対し、同機構は07年9月、業務委託費の会計事務について適正に処理するよう文書で指導。障害者雇用促進協会は統合前の今年3月末に113万円を機構に返還して関係者を処分。雇用開発協会分についても、現・雇用支援協会が9月末までに、過大に支出した旅費分と業者に残っていたプール金3万円を合わせ約242万円を同機構に返還した。
不適正支出について、県雇用支援協会の大石司朗会長(静岡ガス会長)は読売新聞の取材に対し、「いけないことであり、改善すべきことは改善するよう指示した」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20081107-OYT8T00853.htm