2008年11月07日(金) 02時31分
<アパ懸賞論文>幹部教育の一環…62人そのまま応募(毎日新聞)
航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(60)が、民間企業主催の懸賞論文に応募して更迭された問題で、防衛省は6日、同じ懸賞論文に応募した空自の幹部自衛官78人のうち第6航空団の62人が、幹部教育の一環で書いた論文をそのまま応募していたことを明らかにした。防衛省は課題選定や応募の経緯、論文の内容などについて調べる。
この懸賞論文は総合都市開発「アパグループ」(東京都港区)が主催。テーマは「真の近現代史観」で、235人の応募者中およそ3分の1が空自の現職自衛官だった。
防衛省によると、今年5月、新聞広告で懸賞論文の存在を知った空幕教育課が「自己研さんに役立つ」と判断、全国の各部隊にファクスで応募要領を送付した。
小松基地(石川県)に司令部のある第6航空団は要領を見て、幹部教育の一環として所属幹部に提出を求める課題論文のテーマを、懸賞論文と同じにした。提出された課題論文のうち62本が懸賞論文にもそのまま応募され、その結果、同航空団の論文が突出して多くなったという。課題論文は通常、尉官級以上の幹部が部隊ごとにテーマを決めて書く。
防衛省は論文の中身や、公表を前提にしていたかどうか応募者から聞き取り、懲戒処分にあたるケースがないか確認する。田母神氏やアパグループの関与の有無などについても調査を進める。【本多健】
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