2008年11月07日(金) 00時42分
大阪ひき逃げ犯「執行猶予中なので逃げた」 保険金詐欺で有罪(産経新聞)
大阪市北区梅田の交差点で堺市東区の会社員、鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡した事件で、殺人などの容疑で逮捕された住所不定のホスト、吉田圭吾容疑者(22)が交通事故を装った保険金詐欺事件で2007年1月に有罪判決を受け、執行猶予中だったことが6日、分かった。吉田容疑者は「執行猶予期間だったので逃げた」と供述。曽根崎署捜査本部は酒気帯びや無免許運転の発覚を恐れたことに加え、執行猶予中だったことが逃走を決意させたとみて慎重に捜査している。
調べなどによると、吉田容疑者は19歳だった平成17年8月ごろ、地元の熊本県内で男ら数人と共謀。交通事故を偽装し、損害保険会社などから治療費や休業損害補償費などとして保険金計約630万円をだまし取った。
翌18年10月、吉田容疑者はこの事件に絡んで熊本県警に詐欺容疑で逮捕。19年1月には熊本地裁で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受け、その後判決は確定した。
吉田容疑者は逮捕当初、「酒を飲んでいたうえに無免許だったので、警察に捕まっては困ると思った」「何が何でも逃げたかった」などと供述。飲酒や無免許の発覚を恐れたことが逃走の動機とみられていたが、執行猶予期間中に事件を引き起こしたことがひき逃げの大きな理由として浮上した。
また、吉田容疑者は16年3月に普通乗用車の免許を取得後、シートベルト非着用や速度超過、酒気帯び運転などの交通違反を重ね、今年4月23日には1年間の免許取り消し処分を受けていたことがわかっている。
吉田容疑者は免許失効後も、当時勤めていた建築会社で業務用の車を運転しており、度重なる交通違反にも反省することなく無免許運転を続け、さらに鈴木さんをはねたときには飲酒運転だったことなど、無謀な運転を繰り返していたとみられる。
一方、吉田容疑者は「普段から酒が好きだった」とも供述。免許失効後に飲酒運転を重ねていた可能性もあり、捜査本部は事件直前の飲酒状況なども含め、吉田容疑者の日ごろの生活状況についても調べている。
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