2008年11月07日(金) 19時27分
Androidはまだ強力なライバルとは言えない——マイクロソフトのバルマーCEO(Computerworld.jp)
米国MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏は11月7日、Googleのモバイル・プラットフォーム「Android」は「Windows Mobileの“強力なライバル・リスト”には、まだ入っていない」と述べた。
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バルマー氏は、オーストラリアの通信事業者Telstraが開催した投資家向けイベント「Investor Day」で講演し、「GoogleのAndroidがモバイル市場で強力なライバルになるかどうかを判断するのは時期尚早であり、この市場で、すでにほかの製品が大きな勢力を持っている」と語った。
「Androidが、有力なプラットフォームにならないと言っているわけではない。しかし、この業界にはすでにSymbianやBlackBerry、LiMo(Linux Mobile)といったプレーヤーがいる。Googleは、いずれ有力なプレーヤーになるかもしれないが、今は彼らのほうが“少し”手ごわく見える。Googleのこれからの戦いぶりを見させてもらうつもりだ」(バルマー氏)
Investor Dayの講演内容は、TelstraのWebサイト「Investor Centre」で公開された。バルマー氏は、MicrosoftとTelstraが提携し、共同でモバイル・サービスやユニファイド・コミュニケーション、ホスティング型ビジネス・サービスを提供することを発表するため、このイベントに出席した。
両社は、Telstraの法人顧客に対し、オールインワンのモバイル・アプリケーション・パッケージ(電子メール、カレンダー、連絡先管理、Webブラウザ、ビジネス・ソフトウェアなどを含む)を提供する計画だ。また、Telstraのホスティング型IPテレフォニー・サービスとMicrosoftのOfficeアプリケーションを統合し、Telstraの法人顧客が同社のポータル「T Suite」からMicrosoftのホスティング版Officeにアクセスできるようにするという。
またバルマー氏は、Telstraの投資家に対して「Androidのビジネス・モデルは、まったく理解できない」と語った。Googleは、端末メーカーや通信事業者にAndroidを無償で提供しているのだ。
「株主総会やアナリスト向けの説明会で、『新製品をリリースしました。この製品は収入モデルがありませんが、応援してください』と言ったら、投資家が歓迎してくれるとはあまり思えない。だが、Googleが採っているAndroid戦略は、そう言っているのと同じことだ」(バルマー氏)
Googleの計画は、Androidをタダでばらまき、その見返りにGoogleの検索機能を無償で端末に搭載してもらうという計画だが、「モバイル通信事業者がそれを積極的に受け入れるかどうかは疑問だ」とバルマー氏は述べている。「彼らは、自社のネットワークを介して検索が行われることに対し、Googleへ対価を求める権利があることを知っているからだ」
またバルマー氏は、Androidからは収入が発生しないため、その改良・開発に対する投資の優先度は、その他の収入を生む製品に比べて低くなるかもしれないことを指摘した。
(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)
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