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2008年11月06日(木) 22時16分

<道路財源>「1兆円」…政府・与党、解釈バラバラ毎日新聞

 一般財源化後の道路特定財源から1兆円を地方に移す政府方針が迷走している。追加経済対策に盛り込まれたが、旗振り役の麻生太郎首相の指示があいまいだったため、1兆円が従来の地方道路整備臨時交付金(約7000億円)と別枠なのか、合わせて1兆円なのか、政府・与党内で意見がバラバラなのだ。総額2兆円の定額給付金についても、見送ったはずの所得制限が復活するなど方針のふらつきが目立っている。【古本陽荘、三沢耕平】

 自民党の細田博之幹事長と園田博之政調会長代理は6日、党本部内で「地方に1兆円」の党内議論の進め方などを協議。園田氏は直後の古賀派総会で、「1.7兆円という人がいるが、財源のことを考えると1兆円の範囲内だ」と主張した。

 「地方に1兆円」は、追加経済対策の取りまとめの最終段階で、首相が突如指示して盛り込まれた目玉政策。ただ、首相は、道路特定財源の国費分約3.3兆円のうち、臨時交付金として地方に配分してきた約7000億円と1兆円との整合性について「まだ詳細に決めているわけではない」と明言を避けた。

 その結果、鳩山邦夫総務相は4日の記者会見で「1兆円と7000億円は完全に別枠。削られたもの(地方交付金)の復活の1兆円」と述べ、地方への配分は1.7兆円との認識を強調。一方で金子一義国土交通相は同日の会見で「一般財源化されれば7000億円は自動的になくなる」と反論するなど政府内で足並みが乱れている。

 自民党の大勢は「総額1兆円」に傾いており、具体策を協議するためのプロジェクトチームを設置し、来週にも初会合を開く。

 一方、総額2兆円の定額給付金についても、バラマキ批判を懸念して所得制限を設ける方向になったものの、給付方法など具体策の調整が難航。7日までに決定する予定だったが、結論は週明けにずれ込む見通しだ。

 ある自民党幹部は「追加経済対策は選挙向けの見せガネだった」と指摘。衆院解散先送りで、もともと詰めていなかった政策の矛盾が次々に露呈しているとの見方を示した。

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