2008年11月05日(水) 02時07分
女子高生プロ野球投手誕生か 関西独立リーグ熱視線 ナックルで手玉 (産経新聞)
来年4月開幕予定のプロ野球関西独立リーグのトライアウト(入団テスト)の最終テストが4日、神戸市の神戸総合運動公園サブ球場で行われ、最終テストに臨んだ82人の中で川崎北高2年の吉田えり選手(16)=横浜市在住=が打者4人を得意のナックルボールで三振、四球、二ゴロ、遊飛に打ち取り、球団関係者の注目を集めた。
16日に大阪、神戸、明石、和歌山の4球団によるドラフト会議(各球団が約10人指名)で吉田選手が指名されれば、所属が決定する。元阪神投手の神戸・中田良弘監督は「興業面での魅力ももちろんだが、戦力としても十分」と獲得へ前向きな姿勢を見せ、大阪も指名を検討中だ。
日本では1950年から2年間、女子プロ野球リーグが存在したが、吉田選手の入団が決まれば、男子プロに交じって、女子プロがプレーする、日本プロ野球史上初のケースとなる。
「夢のような最終テストでした。あこがれの場所に近づけた感じです」。155センチの吉田選手の右腕から繰り出される魔球に屈強な男たちが翻弄(ほんろう)された。
中学で軟式野球部。川崎北高では硬式野球部の門をたたいたが、ケガで断念。その後クラブチームで腕を磨き、今年9月から女子硬式チームの「アサヒトラスト」に所属。「プロ野球選手が夢」と言い切る。父の勇さん(45)を相手に、自宅でも投球練習を続けた。
“師”と仰ぐのは、米レッドソックスの右腕ウェイクフィールド。同投手の投げるナックルは、100キロを切る“超遅球”。2本の指のつめの先をボールの上に置くことで、回転をかけずに投げると、空気抵抗が大きくなり、打者の手元で不規則変化する。
吉田選手もナックルを駆使する。つめはヤスリで磨き、流行のネイルアートも無縁だ。この日も打者4人に対し7球中5球がナックル。実戦形式で1三振、1四球の好結果に同リーグ石毛宏典最高顧問も「話題性があるし、いいナックルも投げる」と“女子指名”を後押しする。
今回のトライアウトには帝京三高(山梨)で投手だった2歳年上の兄(18)と挑んだが、兄は1次落選。最終予選まで残った吉田選手は「こんなチャンスはなかなかないですから」と指名がかかれば、関西の高校への転校も決意。誕生間近の「女子プロ投手」。話題性だけでなく、実力も気構えも十分だ。(喜瀬雅則)
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