ワイヤレスヘッドホンといえばＢｌｕｅｔｏｏｔｈの採用が一般的だが、その場合、伝送するデータを圧縮するためにどうしても音質が落ちてしまい、ノイズの影響も受けやすい。
そこで「ＭＨＰ−ＵＷ２」は、非圧縮２．４ＧＨｚデジタル無線方式の最新タイプを採用することで、高音質と音切れの少なさを実現した。
伝送可能距離は約１０ｍで、内蔵リチウム電池をフル充電した状態なら約８時間の連続再生が行える。充電は、付属の充電専用ＵＳＢケーブルを利用し、パソコンか電源コンセントの両方から可能だ。
送信部であるトランスミッターのｉＰｏｄコネクターに対応のｉＰｏｄを接続すると、ヘッドホンのハウジング部に配置されたボタンで音量の調整や再生、一時停止、前後の曲選択、早送り、巻き戻しの操作を行うことができる。
対応するｉＰｏｄは、ｉＰｏｄ ｗｉｔｈ ｄｏｃｋ ｃｏｎｎｅｃｔｏｒ、ｉＰｏｄ ｍｉｎｉ、ｉＰｏｄ ｗｉｔｈ ｃｏｌｏｒ ｄｉｓｐｌａｙ、ｉＰｏｄ ｎａｎｏ（第１〜３世代）、ｉＰｏｄ ｗｉｔｈ ｖｉｄｅｏ、ｉＰｏｄ ｃｌａｓｓｉｃ、ｉＰｏｄ ｔｏｕｃｈ。
ｉＰｈｏｎｅ ３Ｇは非対応であり、現時点では対応が未定となっている。
ｉＰｏｄ以外でも利用可能ｉＰｏｄ以外のデジタルオーディオプレーヤーやホームオーディオシステムでも利用できる。オーディオ機器のヘッドホン端子とトランスミッターのＬＩＮＥ ＩＮ端子を付属の３．５ｍｍステレオミニジャックケーブルで接続すればいい。ただしこの場合、ヘッドホン側でコントロールできるのは音量調整のみとなる。ｉＰｈｏｎｅ ３Ｇもこの方法で接続することになる。
また、ヘッドホンにもステレオミニジャックのＬＩＮＥ ＩＮ端子があり、オーディオ機器を直接接続すれば有線のヘッドホンとしても使える。長時間の利用でバッテリーが気になるときは、こうした使い方もできるわけだ。
ＭＨＰ−ＵＷ２は、ワイヤレス機能ばかりでなく、ヘッドホンとしての性能にも注目したい。大口径３０ｍｍの振動板をドライバーユニットに搭載し、一方で音質に影響を与える振動を低減させるなど、音楽情報の表現力を向上させている。
実際にいろいろな楽曲を試聴してみたが、低音域がしっかりと再現できているし、中音域から高音域までもクリアなサウンドが楽しめる。とてもバランスのよい、素直な音の再現性を実感した。なお、ワイヤレスと有線接続時の音の違いは、区別がつかない。
一方、２．４ＧＨｚ帯の無線通信は、同じ周波数帯を使用する無線ＬＡＮ、電子レンジなどの一部家電製品やＢｌｕｅｔｏｏｔｈなどの電波干渉を受けやすい。そのため、気になったのはノイズや音切れだが、しばらく宅内や外出先で使った限り、ほとんど影響を受けることはなかった。これは、電波干渉を回避するために、無線通信のチャンネルを自動で切り替える機能が効いているからだ。
ケーブルにわずらわされることなくｉＰｏｄをカバンの中に入れたままコントロールできるというワイヤレスの利点と、高音質の音楽を楽しみたいという、音楽好きの要望を両面で満たしてくれる製品だ。（テクニカルライター・小野均）
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発売オンキヨー http://www.jp.onkyo.com/ 価格2万円 外形寸法155x175x54ｍｍ＝ワイヤレスヘッドホン、46x90x17ｍｍ＝トランスミッター 重さ105ｇ（内蔵リチウムイオン電池含む）＝ワイヤレスヘッドホン、35ｇ（内蔵リチウムイオン電池含む）＝トランスミッター 電源リチウムイオン電池 電池持続時間約８時間（フル充電時） 充電時間約３時間http://www.yomiuri.co.jp/net/column/digimono/digimono081105.htm