2008年11月05日(水) 22時32分
ロシアが新型ミサイル配備 欧州内の飛び地、米MD計画へ対抗(産経新聞)
【モスクワ=佐藤貴生】ロシアのメドべージェフ大統領は5日、クレムリンで今後の施政方針を示す一般教書演説を行い、米国が東欧で進めているミサイル防衛(MD)計画への対抗措置として、西部カリーニングラード州に新型ミサイルを新たに配備する計画を表明した。また、グルジア紛争をめぐる米国の対応を批判するなど、今後とも厳しい対米姿勢で臨む方針を明らかにした。
大統領は演説で、「北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大のほか、ロシアを取り囲むように進む米国のMD計画がここ数年の対立の原因だ」と述べ、「ロシア国民の安全を守るため」、欧州にあるロシアの飛び地、カリーニングラード州で予定していた3つのミサイル部隊の撤廃計画を撤回し、3部隊を継続して駐留させると言明した。
さらに、新型の地対地ミサイルシステム「イスカンデール」を配備すると述べるとともに、ポーランドとチェコに配備される米MD施設に、電波妨害を同州から実施すると語った。
ロシアは8月のグルジア紛争勃発(ぼっぱつ)後、南オセチア、アブハジアの両地域のグルジアからの独立を承認したが、「われわれはこの地域から後退しない」と明言し、強気の姿勢を示した。
内政面では、憲法を改正し、大統領の任期を現行の4年から最大6年に延長すべきだと主張した。改正時期は不明だが、現在でさえ強大な大統領権限を一層強化する考えとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000618-san-int