医師不足の深刻化に対応するため、文部科学省は4日、医学部がある79の国公私立大(防衛医大を除く)のうち、77の大学で2009年度の医学部定員を計693人増やし、総定員数を8486人とする計画を公表した。中国地方は、広島、山口、岡山、島根、鳥取の国立大5校と、私立の川崎医科大(倉敷市)が各10人の計60人を増やし、総定員数は630人となる。
定員総数は、1981年度の8280人を上回り過去最多。各大学は、地域医療教育の強化のほか、入試での地域定着枠設定や奨学金充実などの医師確保策を示した。
広島大は、増員分のうち5人を独自の推薦入学「ふるさと枠」にした。出願資格を県内の高校出身者に限り、在学中の6年間は県が毎月20万円の奨学金を支給する。卒業後は知事が指定する中山間地域の医療機関への勤務などを義務付ける。川崎医科大は、医師不足が深刻な産婦人科や小児科を志す学生向け奨学金制度を設ける。