中国電力が山口県上関町で進める原発建設計画で、中電と地元の漁業権管理委員会が結んだ漁業補償契約の効力が、反対派の旧祝島漁協(現県漁協祝島支店)の組合員にまで及ぶがどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は4日までに、原告の組合員の上告を退ける決定をした。組合員の逆転敗訴とした2審判決が確定した。
決定理由で第2小法廷は「違憲に当たらない」などとした。
山口地裁岩国支部の1審判決は、効力は組合員個人に及ばず、操業できないなどの不利益を我慢する義務はないとしたが、2007年6月の広島高裁判決は「義務はあり、契約で漁業権が消滅する区域での操業は認められない」と1審判決を変更。組合員逆転敗訴の判決を言い渡し、組合員が上告した。
中電の福本和久・上関原子力立地プロジェクト長は「当社の主張を認めた高裁判決が適法と判断された」とコメントを発表した。