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2008年11月04日(火) 03時04分

「いい生活」社員にインサイダー容疑、課徴金2千万勧告へ読売新聞

 東証マザーズ上場のIT関連企業「いい生活」(東京都港区)の社員が自社の業績悪化の情報を悪用し、大量の自社株を空売りするなどして利益を得ていた疑いがあることが3日、証券取引等監視委員会の調べでわかった。

 監視委は近く金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで、この社員に対し、約2000万円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告する。

 2000万円の課徴金は、金商法違反で個人に科せられるものとしては過去最高額になる。

 関係者によると、社員は昨年秋、同社が受注延期などで売上高や利益などの業績予想を下方修正するとの内部情報を入手。同社が公表すると株価が下落すると考え、同年10月29日の公表前に損失回避のため所有していた株を売り抜けたり、株を保有せずに売り注文を出す信用取引の空売りをしたりして、利益を上げた疑いが持たれている。

 社員は大手証券会社に勤務した経験があり、監視委の任意の調べに対し、不正を認めているという。取引には知人名義など複数の証券口座が使われており、取引額は数千万円に上っていた。同社では、06〜07年に業績予想の下方修正を数回行っており、監視委ではほかに不正取引がないかどうか調べを進めている。

 同社は06年2月に東証マザーズに上場。ヤフーと不動産情報データベースについて業務提携するなどして業績がアップ、上場直後の株価は70万円前後の高値をつけたが、06年末には20万円前後に下落した。現在は3万円台で推移している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000041-yom-soci