2008年11月04日(火) 06時12分
一時保育場所どう確保 裁判員制度で東北各地裁(河北新報)
来年5月に始まる裁判員制度を前に、乳幼児を抱えた裁判員や裁判員候補者が安心して参加できるよう、一時保育場所の確保に向けた東北の各地裁と地元市役所との協議が本格化している。市立保育所の活用を検討している地域が多いものの、受け入れ側の体制や、市外在住者が市立保育所を利用するための調整など乗り越えるべき課題も顕在している。
東北で、裁判員裁判を実施する7裁判所と地元市役所との協議状況は表の通り。仙台では、裁判員選任手続きから公判までの一事件につき最大4人程度、一時保育の需要があると予測。地裁周辺の市立保育所2カ所で実施する方向で検討している。
地裁の本庁、郡山支部の2カ所が対象の福島では、福島市が地裁周辺の保育所を市立と私立で1カ所ずつ確保。郡山市は、支部近くの私立保育所5カ所から協力の承諾を取り付けた。
盛岡は、市内で一時保育を実施している市・私立計15カ所から、施設の空き具合などに応じて任意に選択する方式を検討している。
一時保育料は市立と私立、子どもの年齢や利用時間で差もあるが、市立では高くても2000円台。ただ、裁判員らに特別な補助制度はなく、各地裁は日当(8000—1万円)から充当してもらうというスタンスだ。
青森、秋田、山形は「地裁から正式な協議要請がない」(青森市)などの事情で、方針が未定の状態。市立保育所を軸に検討される見通しだが、「需要は多くて年間5、6人程度。保育所を常時空けておけない」(秋田市)との声もある。
市民の利用を原則とする立場から、「市立保育所の確保は考えていない」(郡山市)との姿勢も。山形市は「地裁から『児童を預かる際の面接を簡素化してほしい』と要望されたが、電話一本で受け入れるのもどうか。定員に余裕がなく、納税者の市民を優先したい気持ちもある」と、対応に苦慮している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081104-00000001-khk-soci