2008年11月04日(火) 22時29分
「消費税率6%上げ必要」 社会保障国民会議が最終報告書(産経新聞)
政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)は4日、少子高齢化社会に対応するため、年金、医療、介護、少子化対策を合わせた追加税負担として、平成27(2015)年度に3〜4%程度、37(2025)年度に6%程度の消費税率の引き上げが必要になるとする最終報告をまとめた。
最終報告を受けて、政府は今後、経済財政諮問会議などで財源確保策の議論を進め、年内に税制改革の中期プログラムを策定する予定。麻生太郎首相は早ければ3年後の消費税率引き上げを明言しているが、総選挙を控えて、どこまで具体論に踏み込めるかが焦点となりそうだ。
最終報告書は、高齢化で負担増が避けられない中、「将来にわたって持続可能なものとし、機能強化を実現するため、改革の全体像を明らかにしながら必要な財源を安定的に確保するための改革に取り組む時期が到来している」と指摘し、速やかに具体的な取り組みに着手するよう求めた。
具体的財源確保策の明示は避けたものの、追加財源規模を消費税率換算するなど、消費税率引き上げを念頭に置いた形となった。
情報・データを開示して国民に給付と負担を分かりやすく示すため、社会保障番号制の導入の推進の必要性も指摘した。
焦点となっていた基礎年金の全額税方式については「財政方式に関する議論がさらに深まることを期待する」とするにとどめ、結論を避けた。
麻生首相は同日の会議で、吉川座長らに対し、最終報告で示された改革について実現に向けた手順を工程表としてまとめるよう要請した。
■社会保障国民会議の最終報告骨子
・安定財源確保のため改革の道筋を示し、具体的取り組みに着手すべき
・社会保障番号制の導入検討が必要
・社会保障充実のための追加税負担は消費税率換算で平成27(2015)年度に3・3〜11%、37(2025)年度に6〜13%程度
・保険料の負担増も必要
・非正規労働者への厚生年金適用拡大や保険料の未納対策の強化、基礎年金の最低保障機能の強化が課題
・医療、介護は当面の緊急対策と同時に構造的問題の解決が不可欠
・急性期医療を中心に患者や介護利用者の生活の質向上を目指す
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