野村証券金融経済研究所など主要民間シンクタンク八社の二〇〇八年七—九月期の国内総生産(GDP)成長率予測が三日、出そろった。物価変動を除いた実質GDPは八社平均で前期と変わらず、ゼロ成長の見通しとなった。
米国発の金融危機による世界経済の悪化で、日本国内の景気を支える輸出産業が振るわないことが原因。内閣府は十七日に七—九月期GDP成長率を発表する。「景気のけん引役は引き続き不在で、日本経済の停滞を示す結果になる」(第一生命経済研究所)とみられる。
公表されている四—六月期の実質GDPは0・7%減となっており、今回の八社平均でみれば、二・四半期連続のマイナス成長はかろうじて回避できそうだ。
七—九月期の予測によると、三菱総合研究所が四—六月期と比べ0・3%減(年率換算で1・1%減)と最も厳しかった。〇一年からの景気拡大を支えた輸出は引き続き伸び悩みが続くとみている。「欧米向けが自動車を中心に減少、新興国の伸びも鈍化しつつある」(みずほ総合研究所)という。設備投資も減少が続く見通しで「原材料高で企業収益が悪化し、設備投資の拡大基調は途切れた」(ニッセイ基礎研究所)との判断が大勢だ。
個人消費も「消費者心理の悪化や実質所得の低下で、消費の実勢は低下基調」(大和総研)と低迷が続くと予想。農林中金総合研究所、明治安田生命保険など各シンクタンクは十—十二月期について、世界的な金融危機の深刻化で輸出や個人消費に大きな悪影響が及ぶため、実質GDPはマイナスになるとの見方を強めている。