【ブリュッセル3日共同=信夫聡】欧州連合(EU)欧州委員会は三日、ユーロ圏(十五カ国)とEU二十七カ国の秋季経済見通しを発表した。世界的な金融危機を受け、ユーロ圏の実質域内総生産(GDP)成長率は二〇〇八年四—六月期以降、前期比で二・四半期続けてマイナスの景気後退局面に入ると予測した。ユーロ圏の景気後退は一九九九年の欧州通貨統合以来、初めて。
四—六月期は前期比0・2%、七—九月期は同0・1%のマイナス成長を見込んでいる。
四—六月期にゼロ成長だったEU全体についても七—九月期、十—十二月期ともにマイナス0・1%に悪化し、年内の景気後退入りを予測した。
これに伴い、〇八年の年間成長率は、前回(九月)の予測をユーロ圏で0・1ポイント下方修正し1・2%とした。EU全体については前回と同じ1・4%。
ユーロ圏、EU全体とも〇九年一—三月期に0・1%のプラス成長に転じるとしているものの、〇九年の年間成長率は0・1%と0・2%とし、極めて厳しい見通しを示した。
ユーロ圏主要国ではドイツ、フランス、イタリアが〇八年七—九月期で景気後退入り。スペイン、ポルトガルのほか、非ユーロ圏の英国、スウェーデンなども十—十二月期に景気後退入りするとみている。