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2008年11月04日(火) 05時00分

小室哲哉プロデューサー逮捕へ、著作権巡り5億円詐取容疑読売新聞

 数多くのヒット曲を生み出した小室哲哉・音楽プロデューサー(49)(東京都港区)が、音楽著作権の売却を持ちかけ、兵庫県芦屋市の会社社長(48)から5億円を詐取した疑いが強まり、大阪地検特捜部は3日、詐欺容疑で小室プロデューサーら数人の逮捕状を取った。

 4日に取り調べを始め、容疑が固まり次第、逮捕する方針。特捜部は5億円が小室プロデューサーの借金返済に充てられたとみて捜査を進める。

 捜査関係者によると、小室プロデューサーは自分が作詞、作曲している806曲について、著作権に関する一切の権利があるかのように偽り、2006年8月、全曲の著作権を10億円で売却する仮契約を結び、代金の一部として、社長から5億円をだまし取った疑いが持たれている。

 実際には、小室プロデューサーは著作権を「エイベックス・エンタテインメント」(東京)などの音楽出版社に譲渡しており、806曲の年間著作権使用料収入約3億円のうち日本音楽著作権協会(JASRAC)から約1億円、音楽出版社から約1億円の計2億円を受け取り、残る1億円は音楽出版社が受け取っていた。

 一方、小室プロデューサーは離婚した前妻(33)への慰謝料など約7億8000万円が未払いで、前妻から著作権使用料のうち年間1億円分の請求権を差し押さえられていた。

 しかし、借金返済が目的であることを隠し、「本契約したいが、ついては前妻の差し押さえを解除するための費用として5億円を先払いしてほしい」と申し入れて、社長から同額を振り込ませていた。

 著作権売買を巡っては、小室プロデューサーと社長が神戸地裁尼崎支部で民事の訴訟合戦を展開。訴訟は社長の全面勝訴の内容で和解が成立したが、小室プロデューサーが、返済されなかった5億円に1億円を加えた解決金を支払わなかったことから、社長が特捜部に告訴していた。

 小室プロデューサーは1984年、3人組音楽ユニット「TM NETWORK」でデビューし、軽快な音楽で人気を集めた。作詞・作曲家として楽曲を提供。プロデューサーとして手がけた安室奈美恵さんや「TRF」、自身も参加した「globe」などはミリオンセラーを連発。

 95年から4年連続で、「Don’t wanna cry」「CAN YOU CELEBRATE?」などの自作曲が日本レコード大賞を受賞した。

 96、97年には10億円以上の高額納税者として2年連続で全国4位。2000年の沖縄サミットのイメージソングも担当した。

 最近はヒット曲もなく、昨年6月、吉本興業との専属マネジメント契約も終了。事業の失敗などもあり数十億円の負債を抱えているとみられる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081103-OYT1T00772.htm