【モスクワ2日共同】アゼルバイジャンのアリエフ大統領とアルメニアのサルキシャン大統領は2日、ロシアのメドベージェフ大統領の仲介による首脳会談をモスクワ郊外で行い、アゼルバイジャン領内のアルメニア系住民居住地域ナゴルノカラバフ自治州の独立紛争で、和平交渉による解決を約束する宣言に3大統領が調印した。
これにより、軍拡を進めてきたアゼルバイジャンとアルメニアとの軍事的緊張は緩和。8月の南オセチア紛争でグルジアに侵攻し、国際的非難を浴びたロシアも、紛争の仲介に乗り出すことで、南カフカス地域への影響力を誇示した形となった。
宣言は「国際法の原則に基づくナゴルノカラバフ紛争の政治的交渉によって南カフカス地域を安定化」することをうたい、今後も首脳レベルの交渉を続けることを確認。
両紛争国が共同の文書に調印するのは1994年の停戦合意以来。しかしアリエフ大統領は、自治州のアルメニア系住民による「占領」に強く反発してきただけに、妥協点を模索する交渉は困難が予想される。