【バーミヤン(アフガニスタン中部)2日共同=安井浩美】アフガニスタン中部バーミヤン遺跡で、二〇〇一年に当時のタリバン政権が爆破した東西二体の大仏がかつて、それぞれ灰色がかった青と赤褐色に彩られていたことが二日までに分かった。破片の回収と修復保存を担当する国際記念物遺跡会議(イコモス)のドイツ調査隊が、大仏の一部や破片から塗料を確認した。
アフガン中部の地理を記した十世紀の文献で東大仏は「灰色の
調査隊によると、六世紀初めごろの建立とされる東大仏(高さ三十八メートル)の右手の下にある衣の部分から、アフガンで産出される群青色の宝石「ラピスラズリ」と石こうを混ぜたとみられる、灰色がかった青の彩色が確認された。
六世紀中ごろ建立の西大仏(同五十五メートル)では、赤土や酸化鉛を使った塗料で着色したとみられる赤褐色の破片が多数見つかった。濃淡に差があり、調査隊は「土に白や黒などの顔料を混ぜ、複数の赤を作り出したとみられる」としている。
また東西大仏の双方で、黄色など他の塗料が残る破片が少数見つかり、それぞれの大仏が青と赤を基調に複数の色で彩られていた可能性もある。
バーミヤン遺跡に詳しい