長崎原爆による死没者の遺族に、当時の警察署が交付した「爆死証明書」を保管する長崎原爆資料館(長崎市)は、同証明書2通を5日から一般公開する。これまで個人情報保護を理由に非公開としてきたが、公開を求めていた長崎市の私立活水高校非常勤講師山川剛さん(72)が遺族を捜し出し、同意を得た。
今回の公開は期間限定だが、山川さんは「平和教育や被爆の実相を伝えるために大事な資料。できれば常時展示して多くの人に見てもらいたい」と話している。
長崎原爆資料館によると、爆死証明書は被爆死した人の遺族が死亡届を出す際、警察署が死亡診断書の代わりに交付したとみられる。同資料館は遺族から寄贈を受けるなどして計11通を保管している。
公開されるのは、爆心地の100メートル以内で陶器店を営んでいた松尾兼松さん=当時(77)=と、妻マサさん=同(54)=のもので、長崎署が交付。
公開は来年1月15日まで。問い合わせは同資料館、電話095(844)1231。