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2008年11月02日(日) 22時32分

<米大統領選>最多の有権者登録 投票率も大幅アップか毎日新聞

 【ワシントン及川正也】4日投開票の米大統領選は、有権者登録数が史上最多の1億8000万人を突破し、投票率の大幅アップが予測されている。空前の盛り上がりは、若者や黒人など新たな票田を掘り起こしている民主党候補、バラク・オバマ上院議員(47)に有利に働くとの見方が有力だ。

 各州の選挙を担当する州務長官の全国組織、全米州務長官協会が先月31日に集計した有権者登録数は1億8421万人。前回04年の1億4200万人から4000万人以上の大幅増となった。

 過去40年をみると、大統領選の間の4年間で有権者登録数が1000万人以上増えたのは3回だけで、いずれも1100万〜1200万人の増加幅。これに比べると今回の増加幅の大きさは異例だ。米メディアによると、新規登録者の割合は民主党が共和党を上回っている。

 ジョージ・メーソン大学のマクドナルド准教授は「有権者登録の大幅増は当日の投票率アップを予兆させる」と指摘。04年の55.3%を上回る60%台に乗せ、戦後最高のケネディ大統領当選時(1960年)の63.1%に迫るとみられている(投票率はAFP通信による)。

 期日前投票は既に1600万人以上が済ませた。米メディアは連日、各地の投票所に1時間前後の投票待ちの列ができていると報じている。特に黒人が多い南部州での出足が好調で、オバマ氏の優位を後押ししているとみられる。

 一方、大幅な有権者登録増の裏では不正登録の被害も拡大。特に、新規登録者66万人中20万人分の登録票から誤記や不正が見つかった激戦のオハイオ州では、オバマ氏と共和党候補のジョン・マケイン上院議員(72)が小差の争いになった場合、訴訟合戦に発展する可能性がある。

 また、登録データと照合できない人向けの「暫定投票」が10日後に開票されるため、接戦なら決着が長引くとの見方も出ている。

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