西日本在住の四十代の日本人男性がインドで依頼した代理出産で生まれ、無国籍のまま出国できなくなっていた女児が、祖母にあたる男性の母親に連れられてインドを出発し、二日昼すぎ、関西空港に到着した。
女児は七月下旬に誕生したが、インド、日本いずれの国籍も取得できず、約三カ月間インドを出国できずにいた。日本政府が人道的観点から一年間の滞在を認める査証(ビザ)を発給し、ようやく日本への入国が実現した。
男性側は今後の対応について明らかにしていない。法務省などによると、認知か養子縁組によって女児との親子関係を確定させた上で、帰化手続きをして女児の日本国籍を取得するなどの手段が考えられるという。
女児は、この男性の精子と匿名の外国人女性の卵子を体外受精させ、インド人代理母の子宮に移植する方法で生まれた。卵子提供者が匿名で、出生証明書に父親名しかないことが、国籍が取得できない理由だった。
インド政府は九月、インド最高裁の命令を受け、女児の出国を可能にする渡航証明書を発行。日本政府は十月二十七日にビザを女児に発給した。